アクセスログ解析の活用方法

スマホやパソコンから手軽にインターネットへ接続出来る環境が普及して以来、Webマーケティングは企業の命運を大きく分けるポイントとなっています。Webマーケティングでは「アクセスログ解析」という手法を用いてWebサイトやコンテンツのクオリティを改善していく事が重要です。今回はアクセスログ解析について概要やメリット・デメリット、注意点や活用方法などを網羅して紹介します。

 

【アクセスログ解析とは】

アクセスログ解析は「Webサイトを訪問したユーザーがサイト内で取った行動を記録・分析してサイトやコンテンツの改善に繋げる」というアプローチ方法です。サイト訪問者の行動を紐解いていけばユーザーのニーズが見えてくるため、効率的にWebコンテンツの改善を行う事が出来るようになります。Webサイトを制作・公開するだけではユーザーの反応を確かめる事が出来ないため、アクセスログ解析のような分析方法が求められるようになりました。

 

【アクセスログ解析の分析方法】

アクセスログ解析の分析方法には大きく分けて「サーバーログ型」「Webビーコン型」「パケットキャプチャリング型」の3種類が存在します。サーバーログ型はWebサイトがあるサーバーの記録データを解析用サーバーが取得する方法で、豊富な情報を基にして細かい分析が可能です。Webビーコン型ではユーザーがブラウザでWebページを表示する際にサイト上のjavascriptが解析用サーバーに情報を送信します。システム導入のハードルが低い事やリアルタイムの情報分析に長けている点が特徴です。パケットキャプチャリング型はWebサイトのサーバーを監視するツールを利用して、ユーザーからのリクエストに対するWebサーバーのレスポンス情報を取得して分析します。幅広いブラウザ環境やデバイスから情報を収集出来る点が魅力です。それぞれにメリット・デメリットがあるので自社に適した分析方法を採用しましょう。

 

【アクセスログ解析をする際の準備事項】

アクセスログ解析を行う前には、まず自社のWebサイトやコンテンツが抱えている問題点を洗い出して「目的」を明確にしておきましょう。ひとくちにWebサイトと言っても「集客」「ブランディング」「販路拡大」など用途は様々です。となれば、Webサイトを訪問したユーザーにとって欲しいアクションである「コンバージョン」もそれぞれに異なってきます。アクセスログ解析はWebサイトの目的に対して何が足りていないのかを客観的に分析する事が主な目的です。Webサイトの目的やコンバージョンが明確になっていなければ、いくら分析を行ってもそれを有効活用する事は難しいでしょう。

 

【アクセスログ解析でわかること】

アクセスログ解析ではWebサイト上におけるユーザーについて様々な情報を取得する事が可能です。例えばサイトを訪問したユーザーののべ人数である「セッション数」、サイトを訪問したユーザーを個別に判別した「ユニークユーザー数」、ユーザーがアクセスしたWebページの数である「PV数」などが基本的なものとして挙げられるでしょう。さらに詳しい情報ではユーザーがWebサイトに滞在した時間や、ユーザーがWebサイトを訪れて他のページに移動せずに離れてしまった割合(直帰率)などを解析する事が出来ます。

 

 

【アクセスログ解析のメリット】

アクセスログ解析ではWebサイトの表面からでは分からない「ユーザーの動向」を、数値という客観的な指標として視覚化出来る点が大きなメリットと言えます。これによりデータに基づいて論理的な改善策を打ち出す事が可能となるのです。また、ツールによっては数値だけでなくデータをグラフや表にして出力する機能を備えている製品も多く存在します。会議やプレゼン用の資料作りにも利用可能なので、コストと相談しながら必要に応じてこうした機能を備えたツールを導入してみるのもおすすめです。

 

【アクセスログ解析のデメリット】

アクセスログ解析を自社に導入する際には、金銭的・人的コストが必要になるという点がデメリットになる可能性があるでしょう。解析ツールは様々な企業からリリースされており、備わっている機能は製品によって異なります。多機能・高機能なものには有料となっているものも多いので、導入コストやランニングコストには注意が必要です。一方、無料であっても必要十分な機能を備えている解析ツールが提供されているので、まずは無料の製品を試験的に導入してみるというのも良いでしょう。また、アクセスログ解析のツールを使いこなすためにはある程度IT用語に関する知識やスキルが求められます。自社でITに強い従業員が不足している場合には、まず有能な担当者を育てる事から始めましょう。

 

【アクセスログ解析を行う際の注意点】

アクセスログ解析はWebマーケティングにおけるPDCAサイクルの中のC(チェック)にあたります。PDCAは4つのサイクルを回転させるスピードが上がるほど効率的な改善が可能です。アクセスログ解析はそれ自体が「目的」ではなく、Webマーケティング改善の「手段」の1つであるという認識を持っておきましょう。また、取り組みの途中経過における達成度を測るためには適切なKPI(Key Performance Indicator)を設ける事も大切です。KPIは「重要業績評価指標」とも訳され、「目的」を達成するために重視するべきポイントの事を指します。過去のデータと見比べながら、KPIが改善しているかどうかを注視しながら改善に取り組みましょう。設定するKPI次第で経過観察に必要となる期間も異なるので、中長期的な視点でWebマーケティングを行う場合は焦らず静観する姿勢も重要です。

 

【アクセスログ解析の活用方法】

「アクセスログ解析を行えばWebサイトのクオリティが向上する」という訳ではなく、それによって入手した情報をどのように活かしていくかが重要です。例えば訪問数が不足しているのであれば効率的なプロモーションを展開して、Webサイトや自社の存在を認知してもらう必要があるでしょう。直帰率が高い場合はWebサイトのトップページに魅力が足りていない、またはWebサイトの構造が複雑でユーザーが目的のページを探しにくいという可能性が高いです。アクセスログ解析で示された数値を的確に分析して、効率的にWebサイトのクオリティを向上させてみてください。

 

【アクセスログ解析は使い方次第】

Webマーケティングでは顧客の反応を直接見られないため、アクセスログ解析で集計した情報が大きな手がかりとなります。大切なのはデータを集計する事ではなくそのデータを「どう活かすか」という事です。また、活用するデータがWebサイトの目的と食い違っていると改善は見込めません。システム導入の際には「自社サイトの目的」と「KPI」を明確にしておきましょう。アクセスログ解析を上手に活用して業績アップを目指してください。

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