ダイレクトマーケティングの活用方法

今や多くの企業が力を入れているマーケティング手法がダイレクトマーケティングです。定番のマーケティング手法なので、当然のように会話に出てきて、何のことかイマイチ理解できない、仕組みが難しいなどと思っているマーケティング担当者の方もいるのではないでしょうか。そこでここでは、ダイレクトマーケティングとは何か、どんなメリット・デメリットのあるマーケティング手法なのかなどについて解説します。

 

【ダイレクトマーケティングとは】

ダイレクトマーケティングとは、ユーザー一人ひとりに直接接触をはかり、その人に合ったマーケティングを実施するマーケティング手法のことを言います。例を挙げると、DMやテレアポなどがダイレクトマーケティングに当てはまるでしょう。従来はテレビCMのような、不特定多数の大衆を対象としたマスマーケティングが主流でした。しかし、一方的なマーケティング活動を行うだけでなく、ユーザーからのレスポンスも大切です。そこで、マーケティング活動によるユーザーの反応を確認できる、ダイレクトマーケティングを取り入れる企業が増えています。

ダイレクトマーケティングの特徴は「場所・手段にとらわれずに複数の方法でユーザーへのアプローチを行う」「マーケティングによって測定したユーザーのデータを活用する」の2点です。この2つの手法を駆使してユーザー一人ひとりに適切なアプローチをすることで、新規顧客の獲得、優良顧客の育成を目指します。

 

【ダイレクトマーケティングの分析方法】

ダイレクトマーケティングでは、RFM分析という分析方法を用いるのが一般的です。RFMとはRecency(最後のサービス利用日)・Frequency(利用頻度)・Monetary(サービスに対する使用金額)の頭文字を取ったもので、既存の顧客リストからRFM分析を用いてダイレクトマーケティングの対象となるユーザーを絞り込みます。ちなみにRFM分析では、すでにサービスを頻繁に利用している「優良顧客」、頻繁というわけではないけれども定期的にサービスを利用していて将来的に優良顧客になりうる「ランクアップ顧客」、利用の間隔はかなり空いているけれども完全にサービスから離れているわけではない「つなぎとめ顧客」の3つに分けることが多いです。

RFM分析を実施したらDMなどユーザーに対してのアプローチを実施します。そこからDMの開封率やレスポンス率、コンバージョン率など、実施したマーケティング施策に対するユーザーの反応を見て、マーケティング施策を改善していきます。

 

【ダイレクトマーケティングをする際の準備事項】

ダイレクトマーケティングで得たデータを分析するにはツールが必須です。そのため、ダイレクトマーケティングを実施する前には、マーケティング内容や企業で取り扱っているサービス内容に適したマーケティングオートメーションツールを準備しておきましょう。

 

【ダイレクトマーケティングでわかること】

ダイレクトマーケティングでは、実施しているマーケティング施策に対して、ユーザーがどれくらいの反応を示しているかがわかります。ダイレクトマーケティングでは、ユーザーのメールの開封率やレスポンス率、商品の購入率やリピート率などを測定します。これらのデータを分析することで、どのマーケティング施策が有効で、逆にどのマーケティング施策の効果が得られていないのかがわかるでしょう。そして、PDCAサイクルを回してマーケティング施策を改善していけば、より効果的なマーケティング活動が可能となります。

 

【ダイレクトマーケティングのメリット】

それでは、ダイレクトマーケティングのメリットから確認していきましょう。

■低コストで始められる

ダイレクトマーケティングで利用する手段はSNSやメールなど低コストもしくは無料で利用できるものが中心です。電話やはがきなど費用がかかる手段もありますが、ある程度ターゲットを絞って実施するので不特定多数を対象としたマーケティング活動よりは安く済むでしょう。そのため、ダイレクトマーケティングは小規模な企業でも取り組みやすいと言えます。ダイレクトマーケティングはPDCAサイクルを回しやすいので、企業の規模が大きくなっても昔からのやり方を変えずにマーケティング展開ができるという点も大きなメリットです。

■リピーターを育成しやすい

ダイレクトマーケティングはユーザーのサービス利用率や商品購入率など、ユーザーそれぞれに合わせたマーケティング活動を実施します。普段からサービスを利用してくれているユーザーに対してはより購入額を増やしてもらえるような施策を実施したり、不定期でサービスを利用しているユーザーに対しては一定のペースで来店してもらえるようにしたりとアプローチ方法を変えていくので、リピーターが育てやすいです。

 

【ダイレクトマーケティングのデメリット】

ダイレクトマーケティングはメリットばかりではありません。ダイレクトマーケティングはある程度顧客データが蓄積されていないと取り組めない施策です。アプローチをする対象がいないとマーケティングを実施しても無駄でしょう。したがって、ダイレクトマーケティングを実施するにあたっては、まずある程度顧客データを蓄積するところから始める必要があります。

【ダイレクトマーケティングを行う際の注意点】

ダイレクトマーケティングはターゲットとするユーザーの層に合わせた手法を使わないと効果が出ません。例えばユーザーの年齢層に合わせてメールの文体を決めたり、SNSや電話など手段を選んだりしないと、届けたい情報がユーザーに届かないでしょう。そのため、しっかりとユーザーの属性に合わせたアプローチを実施する必要があります。

 

【ダイレクトマーケティングの活用方法】

ダイレクトマーケティングは新規顧客の獲得よりもリピーターによる利益アップを狙いたい場面で有効なマーケティング施策です。マーケティングでは28の法則(パレートの法則)と言って、2割の優良顧客が8割の売り上げを占めているという定義が存在します。優良顧客を獲得するにはまずリピーターを確保することが大切です。そこでダイレクトマーケティングでは顧客をグループに分け、それぞれに適したマーケティングを実施することで、新規顧客をリピーターに、リピーターを優良顧客に育てられます。

 

【まとめ】

ダイレクトマーケティングは顧客をサービスの利用頻度などに応じてグループごとに分け、それぞれに適したマーケティングを実施するマーケティング手法です。まず顧客データが必要、時間がかかりやすいなどのデメリットはありますが、着実に結果を出せる手段と言えるでしょう。多くの企業で取り入れられているマーケティング手法であり、積極的に活用してリピーターを増やし、利益アップを狙いましょう。

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