コーホート分析の活用方法

ビジネスを拡大させるためには、企業が置かれている環境を正確に分析したうえで、それに応じた施策を講じる必要があります。そのような分析を行うための手法の一つとして、コーホート分析と呼ばれるものがありますが、その内容についてよく分かっていないという方は少なくないのではないでしょうか。以下で詳しく見ていきますので、この機会にぜひ理解を深めてください。


コーホート分析とは

はじめに、コーホート分析の「コーホート」というのは、古代ローマにおいて歩兵隊の単位を表すために用いられていた言葉です。そこから転じて、現在では、ある一定の条件を満たす集団をコーホートと呼ぶようになっています。例えば、1947年から1949年の間に生まれた人々を表す団塊の世代という概念は、まさに典型的なコーホートの一つであるといえるでしょう。コーホート分析というのは、このコーホートという概念を使って物事を分析する手法で、具体的には、特定の条件を満たす集団を抽出したうえで、その集団に所属する人々の行動を分析し、それによって彼らの行動パターンを把握するというものです。


コーホート分析の分析方法

コーホート分析を行うためには、はじめにどういった条件を満たす集団を抽出するのかを決めなければなりません。代表的な条件には、生まれた年代がありますので、すぐには思いつかないという場合には、まずはこれを条件にしてみるのがよいでしょう。生まれた年代を用いて抽出される集団に所属する人々がとる行動には一定の傾向が見られます。このことをコーホート効果と呼ぶのですが、いかにしてこのコーホート効果を見極めるかがコーホート分析を行う上では重要なのです。

条件を設定してその条件を満たす集団を抽出したら、次に行わなければならないのは、その集団に所属する人々の行動についての分析です。分析を行ううえでは統計を使用するのが効果的とされています。例えば、年齢層ごとの乗用車の普及率は、統計を見ればすぐに分かるでしょう。60歳以上の人よりも30歳未満の人の方が車の普及率が低いということが分かれば、若年層に対して積極的にアプローチを行って車の売上を伸ばすという戦略を立てやすくなるはずです。


コーホート分析をする際の準備事項

コーホート分析をする際に準備しなければならないのは、分析の材料となる統計データです。例えば、先ほどの例でいえば、条件を満たす集団を抽出できたとしても、自動車の普及率に関するデータがなければ、年代ごとの傾向を見極めることは困難です。必要な統計データについては、自分で調査して入手するというやり方もあり得ますが、それには膨大な手間とコストが必要になるため、なるべく既存のものを活用したほうが良いでしょう。政府機関や業界団体などのホームページを見れば様々なデータが公表されていますので、そういったところを調べて自分が必要としているデータを見つけるようにするのがおすすめです。


コーホート分析でわかること

コーホート分析を用いれば、特定の集団に所属する人々の行動パターンが分かります。例えば、特定のオンラインショッピングサイトを訪問した人を抽出することで、彼らがサイトにアクセスしやすい時間帯や訪問頻度、さらには利用者の年齢や性別なども把握できるようになるのです。行動パターンが把握できれば、それを踏まえてどういったマーケティング戦略を取ればよいかが分かります。より効率的に消費者にアプローチできるようになるので、結果的にビジネス拡大につながるというわけです。


コーホート分析のメリット

コーホート分析にはいくつかのメリットがありますが、その中でも大きいのは、やり方さえ分かればコストを掛けずに行えるという点です。もちろん、本格的に行おうとすると、コンサルタントを雇ったり、専用のツールを導入したりしなければなりませんが、そこまでしなくても簡単な分析であれば社内の担当者レベルでも少し手法を学べば実施可能です。分析に用いるデータについても、公開されている既存のものを利用すればコストはかからないので、あまり予算に余裕がないという場合でも無理なく分析を行えるでしょう。


コーホート分析のデメリット

コーホート分析にはメリットがある一方でデメリットも存在します。特に頭に入れておきたいデメリットの一つが、十分なデータが揃っていない状態で分析を行っても正確な結果は得られないという点です。例えば、母数が100人のデータと1万人のデータとでは、後者の方がより精緻な分析結果が得られるであろうことは明らかでしょう。もし100人程度のデータしか得られないようであれば、かえってミスリーディングな分析結果になってしまうかもしれませんので、そういった場合には他の分析手法を採用することを検討してみるのも一案です。


コーホート分析を行う際の注意点

コーホート分析を行う上で注意しなければならないのは、分析によって得られるのはあくまでも抽出した集団の行動パターンでしかなく、必ずしもその集団に属するすべての人が同様の行動をとるわけではないという点です。例えば、20代の男性の傾向として、金曜の夜は外食する人が多いという分析結果が得られたとしても、当然ながら中には家で食事をする人も存在するのです。マーケティング戦略を考える際には、この点をしっかりと頭に入れておかなければ、思わぬ落とし穴にはまってしまうおそれがあります。くれぐれも分析によって得られた結果が、集団に属するすべての人の行動パターンを意味していると思い込まないようにしましょう。


コーホート分析の活用方法

コーホート分析は、ビジネスにおける様々な場面で活用することができますが、特に有用なのがECサイトやWebマーケティングの分野です。というのも、これらの分野ではホームページのアクセス情報を解析することによって簡単に消費者の行動パターンが調べられるからです。例えば、特定のECサイトを利用している集団を抽出し、アクセス解析ツールを使って、商品を購入する頻度を調べれば、どのタイミングでダイレクトメールなどの広告を配信すれば効果があるかが容易に見極められるでしょう。


コーホート分析を活用しよう

以上で見てきたように、コーホート分析は一見すると難しい手法のように見えるかもしれませんが、慣れてしまえば誰でも行うことが可能です。闇雲にマーケティング活動をしているだけでは、必ずしもビジネスの拡大にはつながらないので、時にはこういった手法を駆使して自社が置かれている環境を分析してみてはいかがでしょうか。その結果をマーケティング戦略に活かせば、より効果的に売り上げをアップさせられるかもしれません。

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