顧客満足度調査の注意点

顧客満足度調査という言葉はテレビやインターネットでよく目にします。しかし、名前だけ知っていて、どんなマーケティング調査の手法なのかは知らないという人も多いのではないでしょうか。ユーザーから愛される商品を作るために顧客満足度調査は欠かせないものです。ここでは顧客満足度調査とはどんなものなのか、どんな場面で使われるのかなどについて解説します。

顧客満足度調査とは

これまで便利と思って使っていたサービスがいきなり使いづらくなったり、いつになっても不便な機能が改善されなかったりしたら、ユーザーは別のサービスへの乗り換えを検討し始めてしまいます。ユーザーにより快適にサービスを利用し続けてもらうためには、ユーザーの声を聞き、それをサービスに反映することが大切でしょう。そこで、新たにサービスを開発したり、既存のサービスを改良したりするにあたって、ユーザーが今のサービスにどれだけ満足しているか、どんな点に不満を持っているのかを調査するのが顧客満足度調査です。

顧客満足度調査の調査方法

実際に商品・サービスを利用している人の声を集める手段は複数あります。そこで顧客満足度調査で用いられる主な調査方法を見ていきましょう。

■アンケート

アンケートではユーザーに対してはがきやメールでアンケートを送り、回答してもらいます。時間もかからないことから、大量のデータが欲しいときに用いられることが多いです。アンケートはユーザーの大切な時間を割くものなので、回答者のうち抽選で何名にプレゼントなど、ユーザーへのメリットを提供する必要があるでしょう。そこで景品目当てで適当に回答する人も多いことを前提にデータの統計を取る必要があります。

■インタビュー

インタビューではユーザーに電話をかけたり、アポイントを取ったりして、実際のユーザーの声を調査します。はがきやメールとは違って、直接ユーザーと会話ができるのがインタビュー形式のメリットでしょう。ただし電話の場合、相手がセールスと勘違いしてしまう、対面だとドタキャンされてしまうなどのデメリットもあります。

■覆面調査

覆面調査は主にお店の満足度調査に用いられる方法です。覆面調査員を雇い、接客態度などをモニタリングして調査員から直接サービスを利用した感想などを聞きます。この手法だと店舗スタッフのユーザーへの態度やサービスの質について、マーケティング担当者が自分の目で確認できるのが良いでしょう。ただし、覆面調査員を雇うのに費用がかかるので、大量のデータを集める際にはあまり向いていません。

顧客満足度調査する際の準備

人によって満足の度合いは異なります。例えばコンビニエンスストアでも、ただトラブルなく接客をしてくれれば十分という人もいれば、しっかり笑顔で丁寧な接客をしないと満足しない人もいるでしょう。そのため、ユーザーがどれだけサービスに対して期待をしているのかを把握した上で、それに対する満足度を調査する必要があります。アンケート調査で1から5までの満足度の指標に加えて、どのような目的で商品を購入したかなどを問う質問があるのは、ユーザーの期待値を知るためです。このようにユーザーに対する質問を作るにあたっては、ただユーザーの満足度だけでなく、ユーザーの期待値も把握できるように作りましょう。

また、無計画にアンケートを行ったら、集めたデータが無駄になる可能性が高いです。そのため、顧客満足度調査は目的とゴール地点をはっきりさせたうえで実行に移す必要があります。顧客満足度調査はあくまでマーケティング活動に取り組むにあたって、参考とするデータを集める手段の一つに過ぎません。既存顧客のサービス利用の継続や、新規顧客の獲得など、最終目的をはっきりさせたうえで、顧客満足度調査を行いましょう。

顧客満足度調査でわかること

顧客満足度調査では、実際にサービスを利用するユーザーから、商品に対する不満や改善してほしい部分、優れている部分を聞き取ることで、ユーザーの客観的な意見を知ることができます。自分一人で何かものを作る場合、自分が悪いと感じた部分を改良していき、最終的にそれがほぼなくなった状態を完成とするでしょう。しかし、他の人の意見を聞かずにものを作っていると、使いにくい部分があるのに気づかなかったり、良いと思っていた部分を他の人から酷評されたりすることがあります。

そこで顧客満足度調査を行ってユーザーの客観的な意見を聞くことで、サービスの悪い部分は改善し、良い部分はそのまま残すことができます。実際にユーザーの声を商品に反映することによって、ユーザーとの関係の長期化も期待できるでしょう。

顧客満足度調査のメリット

顧客満足度調査のメリットとして大きいのは、サービスに対する悪い意見も聞けることです。サービス開発担当者の意見しか取り入れないと、「自分はサービス開発にベストを尽くしている」という考えが入ってしまい、悪い部分が見えなくなってしまうことも少なくありません。しかし、悪い部分を改善していかないとユーザーは離れていってしまいます。そこで改善すべき部分を把握し、ユーザーとの関係の長期化を狙えます。

また、サービスの改善すべき部分が1つでは済まないケースも多いです。しかし、サービスの悪い部分を一度ですべて改善することは難しいでしょう。そこでユーザーの満足度から、サービスの形や値段などどんな部分を重視して選んでいるのかを把握することで、サービスの改善点の対応順位を決められます。

顧客満足度調査のデメリット

顧客満足度調査のデメリットは時間と手間がかかる点です。大量のデータを必要とするので、データを集めるだけでも時間がかかりますし、さらにそのデータの統計・分析作業を行うとなると、負担は大きいでしょう。そのため、費用対効果を考えたうえで顧客満足度調査を実行する必要があります。

顧客満足度調査の活用シーン

顧客満足度調査の例として、アイドル雑誌の応募者抽選プレゼントのはがきが挙げられます。雑誌にはどのページが良かったか、新たにどんなタレントを出して欲しいか、どのコーナーを継続してほしいか、またどのコーナーがつまらなかったかなどを問うはがき形式のアンケートがついていることが多いでしょう。これによって、誰のページの評判が良かったか、このコーナーは需要がないかなどを判断しています。

読者から評価の高かったページに出ていたタレントを継続して起用すれば、ユーザーが離れないでしょう。それに、新たにどんなタレントを出してほしいという質問で、意見が多かったタレントを起用すれば新規ユーザーが獲得できる可能性もあります。アイドル雑誌以外にも漫画や映画など様々な雑誌でこのようなアンケートが行われていますが、これも顧客満足度調査の一種です。

ユーザーの意見を取り入れることは大事!既存顧客の利用継続のために顧客満足度調査を行おう!

新規顧客を獲得することも大切ですが、それと同時に既存顧客に継続してサービスを利用してもらうことも重要です。継続してサービスを利用してもらうためには、ユーザーの声を聞いて、それを反映させる必要があるでしょう。そこで、ユーザーからみたサービスの改善点などを洗い出す手段として顧客満足度調査を行います。より良い商品を作るために、入念に計画を立てたうえで顧客満足度調査を実行しましょう。

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