ロジスティック回帰分析の注意点

ロジスティック回帰分析はマーケティングでもよく用いられていますが、利用する上で注意しなければならない点もあります。この記事ではそもそもロジスティック回帰分析とは何かから簡単におさらいをしていきます。そして、マーケティングに有効活用できるようにするためにメリットやデメリットと合わせて注意点を解説するので参考にして下さい。

ロジスティック回帰分析とは

ロジスティック回帰分析はマーケティングに限らず一般的な統計解析でよく用いられている非線形の多変量解析の一つです。回帰分析では現象の要因に相当する説明変数と、現象そのものを象徴する目的変数の間に特定の関係式が成り立つことを仮定して解析を行います。線形回帰であれば直線の比例関係があるのを仮定しますが、ロジスティック回帰分析ではシグモイド関数と呼ばれる確率解析で頻繁に利用されている関数に相関があると考えて解析をするのが特徴です。一般的には0か1かで判定される現象の要因に対して適用することにより、その現象が起こり得る確率を予測するのに利用します。

ロジスティック回帰分析の活用シーン

ロジスティック回帰分析のマーケティングにおける応用では、あるマーケティング手法を実施した際の効果測定と将来予測によく利用されています。例えば、SMSによって顧客に情報発信をした際に、そのSMSを見て商品を購入したかしていないかを調査したとしましょう。この結果を購入していないのを0、購入したのを1として定義してロジスティック回帰分析をすればそのSMS配信がどのくらいの確率で顧客を購入に導けるかがわかります。SMSの配信を何度も繰り返していくことにより母集団数を増やすことができ、現状の顧客に対するSMS配信の効果を正確に予測できるようになります。この結果とSMSによって加算された売上額なども加味すると、今後もSMSマーケティングを続けていくべきか、内容を切り替えるべきかといったことを考えることが可能です。

また、SMSを20代、40代、60代に送ったときの結果から30代、50代に送ったときの購入確率を求めるのにもロジスティック回帰分析を使えます。ロジスティック回帰分析によって得られるシグモイド関数を使うことで未実施のマーケティングの効果を予測することができるのです。これによって購入確率が高い年齢層だけをターゲットにしてSMSマーケティングを実施するという方針を立ててコストパフォーマンスを向上させることができます。

ロジスティック回帰分析の進め方

マーケティングでロジスティック回帰分析を行うときにはまずデータの定義をして収集することから始めます。何に関する質的確率を求めたいのかを明確にし、その現象に関わる要因が何かを列挙していきます。そして、その要因についてマーケティングの実施や市場調査などを通してデータを収集するのが一般的です。その結果を集計してロジスティック回帰分析をするとその現象が起こる確率がどのくらいかが計算されます。同時にシグモイド関数ができるので、その関数を用いてターゲットの属性ごとに確率を計算することが可能です。その結果に基づいてどのターゲットに対してマーケティングを実施すべきかを判断して活用していきます。

ロジスティック回帰分析の分析方法

ロジスティック回帰分析はロジスティック曲線を描くシグモイド関数を用いて、説明変数と現象の発生率の間の相関関係を見出す分析方法です。そのため、基本的には通常の多変量解析と同様にシグモイド関数の各係数を実測したデータに基づいて算出してシグモイド関数を完成させる必要があります。ロジスティック回帰分析では最小二乗法か最尤法を用いて係数を決定するのが一般的です。シグモイド関数の一般式とデータセットがあれば表計算ソフトや関数電卓のソルバー機能を使って計算できます。マーケティングや統計の分析ツールを使用するとロジスティック回帰分析が標準で搭載されていることが多いのでデータを入力して実行するだけでシグモイド関数を導き出せます。

ロジスティック回帰分析のメリット

ロジスティック回帰分析はマーケティングの成功率を高めて、コストパフォーマンスを上げていくための手法として優れています。過去に実施したマーケティング結果を考察するだけでなく、将来に向けてそのマーケティング手法をどう使うべきかの指針となるシグモイド関数も得られるからです。そのため、繰り返しロジスティック回帰分析によって施策を検討していくことで、そのマーケティング手法の最適な運用を続けることができます。短期的な結果からでもロジスティック回帰分析は可能なので、日々刻々と改善を進めていくこともできるでしょう。

ロジスティック回帰分析のデメリット

ロジスティック回帰分析は実施経験のないマーケティングの効果を予測するのには適していないのがデメリットです。実施したマーケティングの効果を確率という考え方から解析して今後の方策を考えるのに適していますが、その過去のデータがないとロジスティック回帰分析は適用できません。市場調査によってこのようなメールが来たら商品を買うかといったアンケートを取り、その集計結果を使ってロジスティック回帰分析をすることも可能です。しかし、市場調査とマーケティングの実施結果とでは大きな乖離が生じることも多いため、安易に市場調査の結果に基づいてターゲットを限定してしまうと販売機会を失うリスクが高くなります。

ロジスティック回帰分析する際の注意点

ロジスティック回帰分析のデメリットは基本的に0か1で定義される事象でしか分析が難しいので注意しましょう。買うか買わないかという現象の起こる確率を判断するのは簡単ですが、このマーケティングでいくらの売り上げが出るかは直接計算できません。また、来店して購入した、来店せずに購入した、来店したけれど購入しなかったなどといった様々な選択肢を一括して分析することもできない手法です。分析したい対象が限られてしまうため、どのようなモデルを考えてロジスティック回帰分析のデータセットを整えるかをよく考えて使う必要があります。

ロジスティック回帰分析のまとめ

ロジスティック回帰分析は実施済みのマーケティング手法の効果測定を行い、コストパフォーマンスの高い方法を選び出していくのに効果的です。ただ、0か1で結果が定義される現象を選び出して解析する必要があるので注意しましょう。過去の実績が少ないと予測をするためのシグモイド関数の信頼性も低くなるので、長期的に運用していくことが大切です。

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