トップオブマインド分析の活用方法

マーケティング戦略を立てる時、市場における自社ブランドの認知度を測ったり、競合が予想される他社ブランドとの認知度を比較することが要求されます。その比較の指標として有効とされているのがトップオブマインド分析です。ここではトップオブマインド分析について、その意味や分析の進め方、メリット・デメリット、活用シーンなどについて解説していきます。

トップオブマインド分析とは

戦略的ブランド・マネジメントの著者ケビン・レーンケラーはブランドを消費者が認知する過程を助成想起と純粋想起の2つと定義しています。助成想起は消費者がブランドに接した際にブランドを判別できることです。純粋想起とは消費者がその系列の製品を必要とした時にそのブランドを思い起こすことを指します。アンケートなどによって製品やサービスを提示して頭に浮かんだブランド名を答えとして得るのが純粋想起です。ブランド名を提示して知っているか否か答えるのは助成想起に分類されます。このような方法で純粋想起と助成想起それぞれの率を求めて消費者や顧客の心の中に占めるブランドの占有率であるマインドシェアを調査する分析方法がトップオブマインド分析です。

トップオブマインド分析でわかること

市場には競合する複数のブランドが存在している筈です。マーケティング戦略を立てる時には多数の競合するブランドの中での自社ブランドに対して消費者が持っているイメージを知る必要があります。アンケートなどによって簡易的に市場での自社ブランドに対して消費者が持っているイメージが分かるのがトップオブマインド分析です。トップオブマインド分析では純粋想起率を横軸、助成想起率を縦軸とした散布図を作成します。この散布図に表示した各ブランドの特性を見ることで消費者がその種の製品を必要とした時に思い起こされるブランドであるか、ブランド名を提示されたときに知っていると答えられるブランドであるかといったマインドシェアの把握が可能になるのです。

トップオブマインド分析の分析方法

トップオブマインド分析では純粋想起率を横軸、助成想起率を縦軸としてそれぞれの平均値を中心とした4つの象限のどこにブランドが存在するかでマインドシェアを分析します。純粋想起率も高く助成想起率も高い右上の象限は広く知れ渡って市場をリードするブランドです。右下は知っている人は知っていますが、ブランドとして広く知れ渡るに至っていないブランドになります。左上はブランド名としては市場に広まっていますが、製品としての認知度に欠けるブランドです。左下の場合はブランド名として市場にも浸透度が低く、製品としても認知されていないブランドになります。定期的に分析することでブランドの成長過程を把握したり、ブランドの浸透度合いを把握してマーケティング戦略の方向性決定に役立てることが可能です。

トップオブマインド分析の進め方

トップオブマインド分析は簡単なアンケートを実施した上で結果から得られる純粋想起率と助成想起率を使って分析します。アンケートの内容は純粋想起と助成想起のそれぞれの認知についての質問です。純粋想起の質問は例えば製品名を挙げて思い浮かぶブランド名を全て答えてもらいます。助成想起はブランドや商品について選択肢を設けて知っているものを全て選ぶ形で答えてもらうアンケートです。アンケートの結果に基づいてブランド毎に純粋想起率と助成想起率を求めます。この純粋想起率と助成想起率をそれぞれ横軸と縦軸にした散布図に描くのがトップオブマインド分析です。

トップオブマインド分析する際の注意点

トップオブマインド分析に使用するアンケートで注意しなければならないのは質問の順番です。アンケートでは、必ず純粋想起に関する質問を先に行わなければなりません。逆となると回答者が先にブランド名を知った上で純粋想起を答えることになります。回答者が純粋想起を答えている間に助成想起の選択肢を知ってしまうと純粋な想起になりません。純粋想起の質問を先にした上で、助成想起の選択肢を別ページにするなどの工夫が必要です。

また、トップオブマインド分析は1回だけではブランドの市場での認知を正確に把握することはできません。1回だけでなく定期的に実施することで市場での認知度とブランドの浸透度合いが明らかになります。広告の効果や知名度の変化が分かるからです。それによってマーケティング戦略上の対策が容易となります。

トップオブマインド分析のメリット

トップオブマインド分析では自社のブランドがどの程度市場に浸透しているかを知ることができます。自社ブランドのユーザーだけでなく調査会社のモニターなどにより幅広い対象から回答を得ることで市場における認知度の把握が可能です。また、競合他社ブランドを含めた市場における認知度の広がりを視覚的に把握できます。さらに市場の広がりばかりでなく他ブランドと比較して上位か否かのポジショニングも確認可能です。

トップオブマインド分析のデメリット

トップオブマインド分析では市場においてユーザーが自社ブランドに対してどのようなイメージを持っているかまでは分かりません。従って、ブランドイメージを持つに至った理由なども深掘りすることはできません。そのため競合ブランドとの差別化を図りたい場合にはブランドイメージの調査などが必要です。

トップオブマインド分析の活用シーン

ブランドの認知度やイメージは時々刻々と変化します。しかも、自社ブランドが市場でどのように知られているかを把握することは重要です。ブランドが市場でどのように認知されているかは多方面からの分析が求められます。その中でも認知度を把握するトップオブマインド分析は実施が簡単です。しかし、1回のトップオブマインド分析でポジションが良かったとしても、それが継続する保証はありません。定期的に実施することに意義があります。市場における自社ブランドの認知度変化を把握する場合、競合ブランドとのポジショニングの変化を把握する場合、広告宣伝効果のブランド認知への影響を把握する場合などにトップオブマインド分析は有効です。

市場におけるブランドの認知度を把握するにはトップオブマインド分析が簡単

トップオブマインド分析はアンケート調査を集計して散布図に展開することで軽易にブランドの認知度を把握することができます。アンケートは簡単です。そのブランドごとの純粋想起率と助成想起率を算出して散布図にすることで視覚的にブランド占有率における自社ブランドのポジショニングや他社を含めた認知度の広がりを把握できます。

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