オムニバス調査の注意点

オムニバス調査は市場調査の手法としてよく用いられるようになってきました。これからマーケティングの施策を考える上で重要なヒントを得られる方法ですが、どのような特徴がある調査方法なのかがわからずに使うべきか悩んでいる人もいるでしょう。この記事ではオムニバス調査の概要を紹介し、利用するメリットやデメリット、注意点を解説します。

オムニバス調査とは

オムニバス調査とはマルチクライアント調査や相乗り調査とも呼ばれていて、一つの調査に対して複数の調査主がいて、市場調査会社が実施するのが特徴です。基本的に主催は市場調査会社で、クライアント名は公開されない仕組みになっています。調査対象者がクライアントが誰かがわからないだけでなく、クライアントも他にどの会社がクライアントになっているかを知ることができないのが通例です。それぞれのクライアントがアンケート調査の質問項目を挙げて調査会社に依頼し、その調査会社が一つのアンケートにまとめて実施するという仕組みが一般的です。

オムニバス調査の分析方法

オムニバス調査では調査対象者を募集したり、アンケートを実施したり、結果を集計したりするのは調査会社です。分析は依頼したアンケートの集計結果を市場調査会社から受け取ってから実施します。アンケートの内容によって分析の仕方は異なりますが、調査対象者の属性に基づいて分類して再集計をすることでターゲットとすべき対象の性別や年齢層、職業などを導き出すのがマーケティングでは典型的な方法です。また、消費動向の調査をした場合には消費者が何に興味を持っているのか、何を不安に感じているのかといったことも分析できます。そのため、目的を明確にして質問項目を厳選し、調査を依頼するのが重要です。

オムニバス調査をする際の準備事項

オムニバス調査をするための準備として必要なのは二つです。一つはアンケートを依頼する際の質問項目を決めることです。市場調査の目的に合わせて質問したい内容を決めてリストアップします。もう一つの重要な準備として挙げられるのが申し込むオムニバス調査を探すことです。調査会社ではいくつかのオムニバス調査のクライアントを募集していることが多く、どの調査を選ぶかによって調査対象者が異なります。地域や年齢層などに加え、アンケート調査の実施方法もオンライン調査なのか会場調査なのかといった点に差異があります。調査目的によってどのような対象を選ぶべきかが異なるため、募集されているオムニバス調査を幅広く調べて最適な参加先を探すのが大切です。

オムニバス調査でわかること

オムニバス調査ではアンケートを実施した集計結果を取得できる仕組みなので、依頼した質問項目に応じてわかることが異なります。オムニバス調査の対象が消費者であれば、自社が気にかけている内容を質問項目にすることで消費者動向の調査が可能です。集計結果の報告には、他社が設定した質問の内容や回答については一切触れられていないので、あくまで自社で依頼した内容に関してだけ市場の動向がわかります。必要なことをデータから導き出せるように質問項目を吟味して依頼しましょう。

オムニバス調査のメリット

オムニバス調査のメリットは、少ない質問数でも気軽にアンケートを実施できることです。単独で市場調査会社に依頼する場合や、自社で会場を借りたり、オンラインシステムを使ったりして調査する場合には、まとまった質問数がないとコストの割に得られる情報量が少ないのが問題になります。しかし、オムニバス調査は他社もクライアントとなって費用を支払い、一つの市場調査会社がまとめてアンケートを実施するのでコストを抑えられます。実施に慣れている調査会社に完全に委託できる点でも優れている市場調査方法です。

オムニバス調査のデメリット

オムニバス調査のデメリットは、単独での調査ではないので実施に際して自社のアンケートだと明示できないことです。また、調査対象者を自由に決められないので目的に合っているオムニバス調査を見つけられるかどうかが大きな問題になります。オムニバス調査はクライアント募集の時点で実施日時が決まっているのが一般的です。そのため、必要なタイミングで市場や消費者の情報を集めたいと思っても、適切な依頼先が見つからなくて難しいのもデメリットです。さらに、他社の質問にどのようなものがあるかわからず、アンケート内でどんな順番になっているかも知ることができません。前後の質問から受けた印象を引きずっていたために、自社で依頼した質問の回答に偏りが出るといったリスクがあります。

オムニバス調査を行う際の注意点

“オムニバス調査を行う際には依頼先の調査会社をよく吟味しましょう。調査会社が調査対象となる母集団からどの程度信用されているかによって参加者の質に違いが生じるからです。自社ブランドがいかに有名だったとしてもオムニバス調査では自社名が調査募集の際に出ることはないので、あくまで調査会社を見て調査を受ける人が名乗り出る点に留意して依頼先を決めるのが肝心です。

また、オムニバス調査は他の企業からの質問も一緒に盛り込み、全体として統一感のあるアンケートに仕上げて実施するのが基本です。そのため、どのようなアンケート項目を盛り込めるかが調査ごとに定められています。一般的には複雑な質問項目を入れ込むのは難しく、記述式の回答を求めたり、計算をさせたりすることはできない場合がほとんどです。音楽を聴いたり、試食をしたりして回答する形式も断られるのが通例です。質問項目数をあまり増やせない場合も多いので、上限数がどの程度かも確認して依頼先を検討しましょう。

オムニバス調査の活用方法

オムニバス調査は消費者動向の気軽な調査に活用されています。大々的に実施するにはアンケート調査はコストが大きいですが、オムニバス調査なら比較的負担が小さくなるからです。定期的に特定の母集団についていくつかの質問をして動向の変化を追うのがよくある使い方です。また、消費者視点での最新のトレンドを探るための調査にもよく活用されています。

まとめ

オムニバス調査は他社との乗り合いの形になる市場調査方法で、調査対象者などを考慮して目的に合ったクライアントの募集を探して申し込むことが大切です。コストを抑えて少数の質問項目での調査を実施しやすいですが、質問項目はあまり複雑にできないので注意しましょう。長所を生かせるかどうかを吟味した上で活用する必要があるのがオムニバス調査です。

 

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