ターゲティングとは



ブランディング戦略やマーケティング戦略を立てていく上で、大切とされるのが「ターゲティング」です。
ターゲティングの重要性については多くの企業で認識されていますが、その本質を理解した上でターゲティングが行われているところは、まだまだ少ないのが現状です。
ここではそんなターゲティングについて、その意味や本質、正しい行い方について解説していきます。

ターゲティングとは

ターゲティングとは、その商品をどのような顧客層に購入してほしいか、標的を絞ることをいいます。
商品ブランドにどういったイメージを持たせたいかという「ブランディング戦略」、どのような顧客層に向けた宣伝戦略を取るかの「マーケティング戦略」といった、
販促戦略を決める上での前提条件でもある事から、ターゲティングは「あらゆるビジネスの起点」とも呼ばれます。

販促戦略を立てる上で、適切なターゲティングを行うことは非常に大切です。
なぜなら、どのようなターゲット層にその商品を売りたいのか、あいまいにしたまま販促戦略に乗り出すと、顧客のニーズに沿った効果的な宣伝ができないことに繋がるからです。
またターゲティングはあらゆるビジネスの起点でもあるため、その仕方を間違えてしまうと、後に続くブランディング、マーケティングといった、あらゆる販促戦略が空回りしてしまう可能性も出てきます。
販促戦略を円滑に行っていく上でも、きちんしたターゲティング設定は必要不可欠なのです。

ターゲティングの本質について

多くの企業は、ターゲティングの重要性に気付いていながら、それを十分に行う事ができていません。
その理由は、多くの企業がターゲティングを「ある顧客層向けの商品を開発する事」としか捉えていないためです。
確かにそれは、ターゲティングの持つひとつの側面である事には間違いありません。しかし、ただそれだけを行っていては、適切なターゲティングが出来ているとは言い難いです。

マーケティング戦略を立てる場面でよく用いられる「STP戦略」という言葉があります。
S・T・Pはそれぞれ「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」という言葉を指しており、これらを適切に設定する事で円滑なマーケティングを行う事ができるというものです。
多くの企業がターゲティングとして行っている「ある顧客層向けの商品を開発する」事は、STP戦略に照らし合わせると「セグメンテーション」の部分に当たります。
確かに、セグメンテーションはマーケティング戦略を立てる際、必要不可欠なものです。
しかし問題は、多くの企業がセグメンテーションとターゲティングを混同してしまっている点にあります。

前段で述べたように、ターゲティングとはあくまで「その商品をどのような顧客層に購入してほしいか、標的を絞る」事をいいます。
セグメンテーションはその前段階、顧客層を細かく区分化するための作業に過ぎず、ここで留まってしまっては効果的なマーケティングは行えません。
しかし、多くの企業が大まかにセグメントを分け、顧客層を決めた時点で満足してしまい、さらに一歩踏み込んだターゲティングの作業を行わないまま、販促戦略に乗り出してしまっています。

購買層を絞る事でより大きな「利益」を得る
多くの企業がセグメンテーションの時点で満足してしまう理由として「標的を絞る」ことに忌避感がある事が挙げられます。
標的を絞る事は購買層を狭くする事に繋がり、結果として商品の売り上げが伸び悩んでしまうのではないかと考えてしまうのです。
しかし、マーケティング戦略を考える上で、標的を絞る事は非常に大切です。
なぜなら標的を絞る事は、マーケティングの「費用対効果」を増すのに非常に有効な手段だからです。

例えば、同系統の商品を取り扱う大手A社と、中小企業B社があったとします。似たような商品に関してA社とB社は広告でのマーケティングを試みますが、A社のマーケティング費用は1億円、B社の費用は2,000万円。
その商品の購買層が「20代前半女性」だったとして、B社がA社と同じ範囲の購買層に向けマーケティングを行ったところで、予算の差によって、B社の商品はA社の商品に圧殺されてしまう事が予測できます。

しかしB社が、商品の購買層を「20代前半女性既婚者」に絞り、マーケティングを行うと話は変わります。20代前半女性の内、既婚者が占める割合は1割足らず。A社が20代前半女性全体に向け満遍なくマーケティングを行ったとすると、20代前半女性既婚者に対するマーケティング費用は、1億円の1割足らず、約1000万円ほどとなり、設定した購買層においてはB社のマーケティング費用が逆転する事となります。
絞られた購買層において、B社は十分なマーケティング効果を得る事ができ、大手A社の影に埋もれることなくブランドを周知できる事でしょう。

さらにB社の商品を使用した人が、その特定の購買層に特化した商品の使用感に高い満足感を得たならば、その後もリピーターとして商品を買い続けてもらう事に期待が持てます。
これによってSTP戦略のPの部分、市場においてその商品ブランド独自の立ち位置を得ること、すなわちポジショニングが、より行いやすくなるのです。

このように、しっかりとターゲティングを行う=購買層を絞ってマーケティングを行う事で、「費用対効果」の向上と「特定の購買層から大きく利益を得る」事が期待できます。
商品のマーケティングを行う際、購買層を広く見積もる事は、一概に間違いとはいえません。
しかし、あえて絞る事でより大きな利益を得られるようなケースもあります。
こういったケースを求め、突き詰めていく事こそ、ターゲティングの本質といえるでしょう。

ターゲティング戦略の立て方について

ターゲティング戦略を立てる上で何より大切なのが、セグメンテーションの時点で顧客層をなるべく細分化する事です。
例えば「性別」や「年代」など、大きな枠組みでの分類だけでは、ターゲティングを行う上で全く十分とはいえません。
十人十色という言葉があるように、人には人の数だけ違いがあります。「収入の多寡」や「結婚の有無」、商品によっては「好きな動物」から「好きな色」なようなものまで、考えうる限り細密に顧客層を分けていく事が大切です。

ターゲティング戦略において「商品を広い顧客層に満遍なく購入してもらう」という考え方は、ほとんど必要ありません。
「顧客層を狭く絞る事でマーケティング費用を抑える」事、または「どうしたら狭い顧客層に繰り返し購入してもらえるか」といった視点で計画立案していく事が、ターゲティングを上手く行う上での秘訣といえるでしょう。

ターゲティングはマーケティングの「費用対効果」を高める上でかなり有効な手段

一見すると、売り上げの減少に繋がるように見える顧客層の絞り込みですが、マーケティングの「費用対効果」を高めるのには、非常に有効な手段といえます。
費用に対して思ったようなマーケティング効果が得られず悩んでいる人は、まずはより細密なターゲティングを行うところから、マーケティング計画を練り直してみても良いかもしれません。

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