アンケート調査にはどんな種類がある?詳細を解説します。

アンケート調査の種類について。代表的なものを紹介します。

アンケート調査には、さまざまな種類があり、それぞれ異なる目的や方法に応じて使い分けられます。以下に代表的なアンケート調査の種類を紹介します。

1. 郵送調査

郵送調査は、対象者に紙のアンケートを郵送し、記入してもらって返送してもらう方法です。手軽に多くの人に送れることから、地域や職業など広範囲の調査が可能ですが、回答に時間がかかることや返送率が低いことがデメリットです。

2. インターネット調査

インターネット調査は、メールやウェブ上でアンケートを実施する方法です。オンライン上で簡単に回答できるため、特に若年層やインターネットに慣れた人々からの回答が得やすい点が特徴です。また、コストも低く、結果の集計や分析も短期間で可能です。しかし、対象者がインターネットを利用している層に限られるため、回答者の偏りが生じる可能性があります。

3. 電話調査

電話調査は、調査員が直接電話をかけて質問し、回答を得る方法です。直接対話によって正確な回答を得やすく、質問内容が深堀りできることが特徴です。ただし、現代では個人情報の取り扱いの観点から電話番号の収集が難しい場合も多く、回答率も低下しつつあります。

4. 面接調査

面接調査は、調査員が対面で質問し、回答を得る方法です。質問の意図が伝わりやすく、回答の正確性が高くなる傾向があります。また、対象者の表情や態度から情報を読み取ることも可能です。しかし、コストがかかり、実施に時間がかかることがデメリットです。調査の精度が求められるマーケティング調査や政府機関の大規模な調査でよく用いられます。

5. 会場調査

会場調査は、特定の場所に対象者を集め、同時にアンケートを実施する方法です。新商品の試食会や試飲会などで用いられることが多く、サンプルを提供して感想を聞くなど、実物を見たり試したりする経験と合わせた調査が可能です。短時間で多くのデータを収集できる反面、対象者の集客や会場費用がかかる点が課題です。

アンケート調査のメリットは!?

1. データ収集の効率化

アンケート調査は、多数の人から意見や情報を効率的に収集できる方法です。特にインターネットや郵送などを利用すれば、地理的に離れた地域や幅広い層からも簡単にデータを得ることができ、効率よく多くのデータを収集することが可能です。

2. 匿名性が高く率直な意見を得やすい

アンケート調査は基本的に匿名で行われることが多く、回答者が本音で答えやすい環境を提供します。特にセンシティブな内容や個人の意見を聞きたい場合、匿名性が担保されていることで、率直で信頼性のある回答を得やすくなります。

3. 客観的なデータによる意思決定の支援

アンケートによって得られた回答は数値化や統計分析が可能です。そのため、客観的なデータとして活用しやすく、マーケティング戦略や商品開発、サービスの改善といった意思決定に役立てることができます。主観に頼らないデータが得られるため、合理的で効果的な判断が可能となります。

4. 特定のニーズや傾向を把握できる

アンケートは、ターゲットとなる層が何を求めているかや、どのような傾向があるかを理解するのに適しています。例えば、新商品に関するアンケートでは、消費者が期待するポイントや必要とされる機能を把握することができ、商品やサービスの改良に直接役立てられます。

5. 少人数でも有益なインサイトが得られる

アンケート調査は、回答者の母数が比較的少なくても、傾向や共通点を見つけ出すことが可能です。特にフォーカスしたニッチ層に向けた調査では、対象者の少数意見を聞くことで新しいインサイトを得られることがあり、商品開発やマーケティングにおいて重要なヒントとなります。

6. トレンドや意識の変化を追跡できる

定期的にアンケート調査を行うことで、時期や流行に応じたトレンドや意識の変化を追跡できます。継続的なデータ収集を行えば、過去と比較して変化があった点を明確に把握し、消費者ニーズや世間の関心事の移り変わりに柔軟に対応することが可能です。

アンケート調査の費用はどのくらいかかる?

1. 調査方法による違い

郵送調査
郵便代や印刷代、封入作業費などがかかり、対象者数が多いとコストが増えます。1回の郵送調査で数万円~数十万円の費用がかかる場合が多く、特に返送用の切手代を負担する場合には高額になりやすいです。

インターネット調査

オンラインアンケートのシステムを利用する場合、数千円~数万円程度の費用が一般的です。リサーチ会社やパネル(調査対象者リスト)を利用する場合、回答者1人あたり数百円~数千円の単価で、全体のコストは数十万円になることもあります。

電話調査

調査員が直接電話をかけて行うため、1人あたりのコストが高くなります。通常、回答者1人につき1,000円~3,000円程度の費用がかかることが多く、大規模な調査では100万円以上になるケースもあります。

面接調査

対面での調査は人件費や交通費、会場費が必要です。1人あたり数千円~1万円以上の費用がかかることも珍しくなく、特に特定の地域や会場に集める必要がある場合には高額になることがあります。

会場調査

会場を借りて調査する場合、会場費や対象者への謝礼、スタッフの人件費などが発生します。一般的には数十万円~100万円以上がかかることが多く、大規模な調査や専用施設を借りる場合にはさらに費用がかさみます。

2. 調査の規模と対象者数

対象者の数が増えるほど費用は増加します。例えば、インターネット調査では1,000人分のデータ収集を行うと10万円~50万円程度の費用が見込まれることが多いです。また、特定の条件に合致する回答者(例:年齢、職業、地域など)をリクルートする場合は単価が上がります。

3. 質問内容の複雑さ

質問がシンプルで数が少ない場合には低コストで済みますが、複雑な質問や多くの選択肢を設けたアンケートでは、集計や分析に時間がかかり、費用も高くなります。特に、自由回答形式の質問を多く含む場合や高度な統計分析が必要な場合、調査費用が増える傾向にあります。

4. 専門業者に依頼する場合

調査会社に依頼する場合、調査設計やデータ分析まで一括してサポートしてもらえるため、時間や労力が軽減されますが、その分費用は高くなります。簡易的なインターネット調査でも20万円~50万円程度から、大規模で詳細なデータ収集・分析が必要な場合は100万円以上かかることもあります。

アンケート調査の例をいくつかご紹介!

1. 顧客満足度調査

顧客満足度調査は、製品やサービスに対する顧客の満足度や改善点を把握するために実施されます。例えば、「商品の品質に満足していますか?」「スタッフの対応は良かったですか?」といった質問を通じて、顧客のニーズや意見を収集し、サービスの向上や製品改良に役立てます。定期的な顧客満足度調査は、企業にとって重要な経営判断材料となります。

2. 市場調査(マーケットリサーチ)

市場調査は、新商品やサービスの開発にあたって、市場の需要や競合状況を把握するために行われます。例えば、「どのような機能が最も魅力的ですか?」「商品をどのくらいの頻度で購入しますか?」などの質問を通じて、ターゲット層のニーズや購買行動を理解し、商品のコンセプトや価格設定に反映させることができます。

3. 従業員満足度調査

従業員満足度調査は、組織内の従業員がどの程度満足しているかを把握するためのアンケートです。「職場環境に満足していますか?」「上司との関係は良好ですか?」などの質問を行い、従業員が安心して働ける職場づくりのために利用されます。定期的な従業員満足度調査は、従業員の意欲向上や定着率の改善にもつながります。

4. イベント満足度調査

イベントや展示会、セミナーなどの後に行われるアンケートです。「イベントの内容に満足しましたか?」「どのセッションが一番役に立ちましたか?」といった質問を通じて、参加者の評価やフィードバックを収集します。この結果をもとに、今後のイベント内容の改善や効果的な集客方法の検討が可能です。

5. 広告効果測定調査

広告効果測定調査は、広告やキャンペーンがどれほどの影響を与えたかを評価するためのアンケートです。テレビCMやウェブ広告の認知度や印象について「この広告を見たことがありますか?」「広告を見て購買意欲が高まりましたか?」などの質問を行い、広告の影響を数値化して次回以降の広告戦略に活かします。

6. 社会調査・意識調査

社会調査や意識調査は、一般の人々が持つ社会的な価値観や意識についてのデータを収集するために行われます。例えば、「環境問題についてどのように感じていますか?」「健康や生活習慣に気を付けていますか?」といった質問を通じて、社会的なトレンドや意識の変化を捉え、政策立案や公共サービスの改善に活用されます。

アンケート調査会社はどんな会社を選ぶべき?

1. 実績と専門性の確認

調査会社の実績や専門性は、調査の質を左右する重要な要素です。特に、自社の業界や対象となる分野に強みを持っている会社を選ぶことで、効果的なアンケート設計や分析が期待できます。過去の実績や担当者の専門知識を確認し、安心して依頼できるかどうか判断しましょう。

2. 調査手法の多様性

アンケート調査には、インターネット調査、郵送調査、電話調査、面接調査など様々な手法があります。自社のニーズに合った調査方法が提供されているかを確認することも大切です。複数の調査手法を取り入れることで、対象者や目的に合わせたデータ収集が可能になります。

3. ターゲットに合わせたリクルーティング力

調査対象者のリクルーティング力も調査会社の選定ポイントです。特定の年齢層、地域、職業など、ターゲットに合致する回答者をどれだけ正確に集められるかは、調査の精度に大きく影響します。自社のターゲット層に強いパネルやデータベースを持っているか確認しておきましょう。

4. データの分析力と報告書の質

調査結果の分析が適切に行われ、わかりやすい報告書にまとめられているかも重要です。特に、専門的な分析やマーケティング戦略に活かせるインサイトが必要な場合、データ分析のスキルを持った担当者がいるかどうかを確認すると良いでしょう。また、報告書の見やすさや具体的なアクション提案が含まれているかも確認ポイントです。

5. 価格の明確さとコストパフォーマンス

調査費用は、アンケートの手法や対象者数、分析内容によって異なります。見積もりをもらう際に、どのような項目に費用がかかるのか明確に説明してくれる会社を選ぶと安心です。また、価格だけでなく、費用に対してどれだけの成果が期待できるかというコストパフォーマンスも考慮しましょう。

6. 柔軟な対応力とサポート体制

調査内容や対象者が変わる場合にも、柔軟に対応してくれる会社であることも重要です。また、調査中や報告書作成時などに適切なサポートや相談ができる体制が整っているかも確認しましょう。コミュニケーションがスムーズな会社を選ぶことで、スケジュール通りに進めやすくなります。

アンケート調査結果の分析方法は?

1. クロス集計分析

クロス集計分析は、複数の項目間の関係を分析する方法です。例えば、「性別」と「購買意欲」などの2つの属性を組み合わせて集計することで、属性ごとの傾向を把握できます。この方法は、特定の層における行動や意識の違いを知るのに役立ち、ターゲットごとの戦略立案に活用できます。

2. 平均値・中央値・モード分析

数値データを対象に、平均値、中央値(データを小さい順に並べた時の中央の値)、モード(最頻値:最も頻出する値)を求め、回答の傾向や全体の中での標準的な意見を把握します。特に満足度調査や評価尺度(5段階評価など)を使ったアンケートでは、これらの指標で傾向をつかむことが可能です。

3. 分散分析

分散分析は、複数のグループ間でのデータの違いを統計的に比較する手法です。たとえば、「年代」ごとに「商品満足度」の違いを調べる際に用いることで、年代による満足度の差が統計的に有意かどうかを確認できます。新しい顧客層のニーズを探る際や、複数の要因の影響を知りたい場合に効果的です。

4. 回帰分析

回帰分析は、ある変数が別の変数にどの程度影響を与えているかを測る方法です。例えば、「利用頻度が購入意欲にどのくらい影響を与えているか」など、複数の要因と結果の関係を数値化して予測する際に役立ちます。マーケティングや購買行動の分析でよく使用され、具体的な施策を立案するための基礎となります。

5. 自由回答のテキストマイニング

アンケートで自由回答がある場合、その回答をテキストマイニング(自然言語処理)を使って分析する方法もあります。回答内容をキーワードや頻出語に分解し、内容を可視化することで、参加者の意見の傾向や頻出する要望を把握します。特に、改善点や顧客の生の声を分析したい場合に役立ちます。

6. セグメンテーション分析

セグメンテーション分析は、回答者を似た特徴ごとに分類し、グループ分けする手法です。例えば、年代、趣味、ライフスタイルなどに基づいて顧客層を分けることで、それぞれのセグメントの特徴を理解し、ターゲット層ごとに適した戦略を立案できます。マーケティングやターゲティング施策に欠かせない分析です。

7. 時系列分析

アンケートを定期的に行っている場合、時系列でのデータを分析することで、時間の経過による変化やトレンドを追跡することができます。顧客の満足度や認知度、消費行動の変化を把握し、今後の予測や改善策を練るのに役立ちます。

アンケート調査を依頼する際の注意点

1. 目的と目標を明確にする

まず、調査を通じて何を知りたいのか、どのような決定に役立てたいのかを明確にすることが重要です。目的や目標が曖昧な場合、調査設計が的外れになり、集まったデータが期待通りに役立たないことがあります。依頼前に「顧客満足度の把握」「購買意欲の向上」など、具体的な調査目的を決めましょう。

2. ターゲット層をしっかり定義する

調査対象者(ターゲット層)が明確でないと、得られるデータが目的に合致しない可能性があります。例えば、年齢層、地域、職業、生活スタイルなど、調査の目的に応じたターゲット層を明確にし、調査会社に伝えることが大切です。ターゲットが特定しづらい場合は、調査会社にリクルーティング方法について相談すると良いでしょう。

3. 質問内容の適切さを確認する

質問内容や回答形式は、調査の結果に直接影響を与えます。質問が複雑だったり専門的すぎると回答が偏る可能性があるため、分かりやすく、答えやすい内容にすることが重要です。また、設問数が多すぎると回答率が低下することがあるため、必要な質問に絞り、短時間で完了するよう工夫します。

4. アンケートの実施方法を慎重に選ぶ

インターネット調査、郵送調査、電話調査、面接調査など、調査手法によってコストや結果の信頼性が異なります。調査目的に適した手法を選ぶことも重要なポイントです。例えば、インターネット調査は広範囲に実施できる反面、高齢者層やネットに不慣れな層を取りこぼす可能性があるため、対象者に合わせた調査手法を選びましょう。

5. 調査結果の分析方法を確認する

調査会社によって、データの分析レベルや報告書の作成方法が異なります。単なるデータ集計にとどまらず、クロス集計や回帰分析、テキストマイニングなど、目的に合った分析をしてくれるか確認しましょう。また、報告書の内容が分かりやすく、具体的な改善提案やインサイトが含まれているかも重要なチェックポイントです。

6. スケジュールに余裕を持たせる

調査の準備、実施、分析にはそれぞれ時間がかかるため、スケジュールには十分な余裕を持たせる必要があります。特に、調査内容の修正や対象者リクルートに時間がかかることもあるため、スケジュール管理に注意し、納期に間に合うかどうかを確認しましょう。

7. 費用の見積もりと透明性を確認する

調査の費用は、調査方法や対象者数、分析内容によって大きく異なります。費用が発生する項目が明確で、予算内で調査が実施できるかを事前に確認しましょう。追加費用が発生する条件なども、契約前に確認しておくと安心です。

8. 個人情報保護への配慮

アンケート調査では、対象者の個人情報を取り扱うケースが多いため、個人情報保護法などの法的なルールを守っているかも確認が必要です。調査会社がプライバシー保護をどのように行っているかを確認し、安心して依頼できるかどうかを判断しましょう。

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